男性特有のがんである前立腺がんは日本人にも増えています。このがんは男性ホルモンがないと育たない男性ホルモン依存性のがんのため、ホルモン療法で治療できます。また血液検査だけで前立腺がんは診断できるので、男性は55歳を過ぎたら、この検査を受けましょう。
質問表
以下の質問について、あなたにあてはまる回答に○をつけ、その点数(カッコ内の数字)を合計し、判定表を見てください。
| 問 | チェック項目 | 回答(点数) |
|---|---|---|
| 1 | 年齢が55歳以上である | はい(2) いいえ(0) |
| 2 | 尿が出にくい | はい(2) いいえ(0) |
| 3 | 尿の回数が多い | はい(1) いいえ(0) |
| 4 | 検査で尿潜血があると言われたり、血尿が出たことがある | はい(1) いいえ(0) |
| 5 | 腰痛がある | はい(1) いいえ(0) |
| 6 | 緑黄色野菜の摂取が少ない | はい(1) いいえ(0) |
| 7 | 肝臓が悪いと言われている | はい(0) いいえ(1) |
| 8 | 性生活をがまんしている | はい(1) いいえ(0) |
| 9 | 前立腺がんの血液検査を毎年受けている | はい(0) いいえ(2) |
判定表
| 合計点数 | 危険度 | 対策 |
|---|---|---|
| 0〜1点 | ない | 心配なし |
| 2〜3点 | やや高い | 前立腺がんの血液検査を |
| 4点以上 | 高い | 泌尿器科で診察を |
解説
前立腺がんは米国で多く、男性がかかる悪性腫瘍の中で発生率が第1位、死亡率が第2位です。日本でも食生活をはじめ、生活様式が欧米化してきた結果、毎年増加しています。
前立腺の病気には、前立腺肥大症と前立腺がんがあります。尿が出にくい、尿の切れが悪い、尿が近いといった排尿の異常など、二つの病気は同じ症状のこともあり、前立腺肥大症に前立腺がんが合併していることもあるので要注意です。
また、前立腺がんは骨に転移しやすいのが特徴です。背骨に転移して腰痛などで発見されることもあります。しかし、胃がん、肺がんと比較すると、前立腺がんは進行が遅く、転移を起こしてしまったがんでも治療効果が上がることが多いので、悲観することはありません。
前立腺がんは、男性ホルモンがないと増殖できません。睾丸(こうがん)の摘出、女性ホルモンの投与、男性ホルモンを抑える薬の注射などで、男性ホルモンを少なくし、そのことで前立腺がんは縮小し、治療することができます。
前立腺がんの診断には、まず血液検査が欠かせません。血液中の前立腺特異抗原(PSA)という腫瘍(しゅよう)マーカー(特殊なたんぱく質)を検査することで、がんの有無が診断できます。前立腺がんは無症状のことも多いので、男性は55歳を過ぎたら、採血するだけですみますので、毎年泌尿器科などで、この検査を受けることをお勧めします。
(文:石井 泰憲)