尿管結石とは
腎臓でできた石が尿管へ流れ落ち、途中で詰まった状態が「尿管結石」です。突然、腰や背中、わき腹に激しい痛みが起こるのが特徴で、「世界三大激痛」のひとつに数えられることもあります。一方で、小さな石は自然に体の外へ排出されることも多く、痛みをコントロールしながら経過をみていく病気でもあります。
尿管は、腎臓でつくられた尿を膀胱まで運ぶ細い管です。腎臓の中にとどまっている石は「腎結石」と呼ばれますが、これが尿の流れに乗って尿管へ落ち込むと「尿管結石」になります。尿管は内径が数mm程度と細いため、流れてきた石が内側をこすると血尿が出ることがあります。さらに石が詰まって尿の流れがせき止められると、上流の腎臓(腎盂)に尿がたまって拡張し、腰や背中、わき腹に強い痛みが走ります。
できやすい年代や体質は腎結石と同様で、特に過去に結石を経験したことのある方は注意が必要です。なお「激痛」のイメージが強い病気ですが、痛みの強さには個人差が大きく、ほとんど痛みを感じないまま自然に石が出てしまう方もいます。
尿管結石の症状
最も特徴的なのは、左右どちらかの腰・背中・わき腹に起こる激しい痛みです。主な症状には次のようなものがあります。
- 腰・背中・わき腹の激しい痛み(出たり弱まったりを繰り返し、強いときは吐き気を伴うことも)
- お腹の痛みや、腰の重だるさとして感じることもある
- 排尿時の痛み・頻尿・残尿感(石が膀胱の近くまで下りてきた場合)
- 血尿(見た目で分かることも、尿検査ではじめて分かることもある)
注意したいのは、石で尿の流れが止まったところに細菌感染が加わり「急性腎盂腎炎」を起こす場合です。発熱や倦怠感を伴い、放置すると危険な状態になることもあるため、痛みに発熱が重なったときは早めの受診が必要です。
尿管結石の検査・診断
まず問診と診察で、痛みの場所や性質を確認します。腎臓が腫れている場合は、背中を軽くたたくと痛みが響く「叩打痛(こうだつう)」がみられるのが特徴です。あわせて尿検査を行うと、多くの場合、血尿が確認でき、特徴的な痛みと血尿がそろえば尿管結石の可能性は高いと判断できます。
超音波(エコー)検査では腎臓(腎盂)の腫れの有無が分かります。これらは院内で行えるため、突然の痛みや血尿で「尿管結石かもしれない」と感じたときに、その日のうちに診断の見立てをつけられます。さらに石の位置や大きさを正確に確認したい場合は、ごく小さな石も見つけやすいCT検査が有効で、当院では連携する医療機関と協力して実施しています。
尿管結石の治療
尿管結石の多くは、時間の経過とともに尿と一緒に自然に排出されます。そこで治療はまず痛みをやわらげることから始めます。痛みの強さに応じて飲み薬・座薬・点滴・注射を使い分け、落ち着いた後は痛みが出そうなときに使える頓服をお渡しします。あわせて、石が流れ出るのを助ける排出促進薬を使いながら自然排石を待ち、早ければ数日、長い場合は数週間以上みていきます。
石がなかなか動かない場合や、強い痛みを繰り返す場合、1cm以上の大きな石の場合などは、石を砕く治療を検討します。体の外から衝撃波を当てる「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」や、内視鏡で石を砕く「経尿道的尿管砕石術(TUL)」などがあり、これらが必要な場合は連携する医療機関をご紹介します。また当院では、激しい痛みに対して「志室(ししつ)」というツボへの指圧など東洋医学的なアプローチも取り入れ、薬とあわせて痛みをやわらげる方法をご提案しています。