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排尿疾患(排尿障害)

慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)

慢性前立腺炎とは

前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下にあり、尿の通り道である尿道を取り囲んでいます。栗の実ほどの小さな臓器で、精液の一部となる前立腺液をつくる役割を担っています。

前立腺炎は、この前立腺やその周囲に炎症や痛み・不快感が起こる病気です。大きく分けて、次のタイプがあります。

急性のタイプ(急性前立腺炎)

高い熱を伴って、急に症状があらわれます。

慢性のタイプ

急性のような急な発熱はなく、症状が長く続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返したりします。

さらに、次の2つに分けられます。

  • 細菌の感染が関係するタイプ
  • 検査をしても細菌が見つからないタイプ(慢性骨盤痛症候群)

慢性のものでは、検査をしても細菌が見つからないタイプ(慢性骨盤痛症候群)が多いとされています。このページでは、主に慢性のタイプについてご説明します。

慢性のタイプは、働き盛りの青年・壮年世代の男性に多くみられ、長時間座りっぱなしの姿勢やデスクワーク、ストレス、体の冷え、飲酒などが関係すると考えられています。命に関わる病気ではありませんが、症状が長引きやすいため、気になる方はお気軽にご相談ください。

慢性前立腺炎の症状

  • トイレが近い、残尿感がある
  • 会陰部(肛門と陰嚢のあいだ)や下腹部、足の付け根のあたりの痛み・不快感
  • 排尿のときの違和感や軽い痛み
  • 射精のときの痛みや不快感

痛みの出る場所や程度には個人差があり、複数の症状が重なってあらわれることもあります。また、症状が軽くなる時期とつらくなる時期を繰り返すことが多いのも特徴です。

慢性前立腺炎の検査・診断

症状をうかがって慢性前立腺炎が疑われる場合には、状況に応じて検査を組み合わせて行います。

まず尿検査を行い、顕微鏡で炎症を示す白血球や細菌がいないかを確認します。必要に応じて、尿の中の細菌の種類を詳しく調べる尿培養検査を追加します。また、似た症状を起こすほかの病気がないかを見極めるため、前立腺がんを調べる血液検査(PSA)など、ほかの検査を組み合わせて確認していくこともあります。

慢性前立腺炎の治療

細菌の関与が考えられる場合には、前立腺に届きやすい抗菌薬による治療を行います。慢性のものは、途中で治療をやめると再びぶり返しやすいため、ある程度の期間(数週間以上)しっかり続けることが大切です。

慢性骨盤痛症候群(細菌が見つからないタイプ)では、症状に合わせて治療を組み合わせていきます。痛みや排尿の症状に対しては、前立腺や尿道の緊張をやわらげるお薬(α遮断薬)、炎症や痛みをやわらげるお薬、植物由来のお薬などを用います。体質や症状に応じて漢方薬を取り入れることもあり、当院では竜胆瀉肝湯や桂枝茯苓丸を用いることが多いです。

また、骨盤底の緊張や血流の悪さが症状に関わっている場合には、磁気で骨盤底にはたらきかける治療(スターフォーマー)が、会陰部の不快感や痛みの緩和に役立つこともあります。

この病気は、症状が軽いときとつらいときを繰り返しながら、長くつき合っていくことが多いものです。悪化のきっかけになりやすいのが、飲酒、長時間の運転やデスクワークなど座りっぱなしの姿勢、疲労、ストレス、体の冷えです。

これらをできるだけ避ける生活上の工夫もあわせてご案内し、あせらず症状をやわらげていくことを目標に、根気よく治療を続けていきます。