夜尿症とは
夜尿症(おねしょ)は、夜眠っている間に無意識に排尿してしまう状態です。小学校低学年で1割ほどにみられる決してめずらしくないもので、お子さんの不注意やしつけのせいではありません。叱っても治るものではなく、適切な対応により、自然経過より早い改善が期待できます。「年齢が上がっても続いている」「お子さん自身が気にしている」といった場合は、一度ご相談ください。
夜尿症は、夜間の睡眠中に本人の意思とは関係なく排尿が起こるものです。小学校入学前後でも続いている場合に受診されるお子さんが多く、男の子に多い傾向があります。
原因はひとつではなく、夜間の尿量が多いこと、膀胱にためられる量が少ないこと、目が覚めにくいこと(覚醒障害)などが関係します。便秘が影響していることもあります。また両親が子どもの頃におねしょをしていた場合は、お子さんにも多くみられるなど、体質的な要因も指摘されています。大切なのは、おねしょはお子さんの性格や育て方が原因ではないということです。
夜尿症の症状
夜尿症では、夜眠っている間に本人が気づかないまま排尿が起こります。目が覚めにくいため、おねしょをしても気づかず朝まで眠っていることが多くみられます。尿の量はさまざまですが、布団までしみるほど多いこともあります。お子さんによっては、日中の尿漏れを伴うこともあります。
夜尿症の検査・診断
おねしょの多くは、ほかに病気のないお子さんに起こりますが、まれに別の病気が隠れていることがあるため、簡単な検査で確認します。まず尿検査で、血尿がないか、細菌による感染がないかを調べます。次に超音波(エコー)検査で、腎臓や膀胱の形に問題がないかを確認します。
あわせて、日中の過ごし方や水分のとり方、排尿・排便のリズム、就寝時間などを詳しくうかがいます。必要に応じて、排尿の勢いや量を測る尿流測定、排尿後に膀胱へ残る尿の量を調べる残尿測定で、膀胱の働きを確認することもあります。
夜尿症の治療
治療の基本は生活改善です。おねしょは成長とともに自然に減っていきますが、生活指導を行うことで、何もしない場合に比べて治るスピードが早まることが知られています。規則正しい排尿、水分をとる量やタイミングの工夫、便秘の改善などを通して、生活リズムを整えていきます。生活改善だけで2〜3割のお子さんが改善するとされ、おねしょの記録をつける「おねしょ日記」も役立ちます。なお、夜中に無理に起こしてトイレに行かせることは、かえって逆効果になることがあるため、基本的にはおすすめしません。
数週間の生活改善で十分な効果が出ない場合は、お薬や夜尿アラームによる治療を行います。夜間の尿量が多いタイプには尿量を抑えるお薬を、膀胱の容量が小さいタイプには膀胱の緊張をやわらげるお薬を使います。夜尿アラームは、おねしょを感知するとアラームで知らせる装置を使い、夜間の尿をためる力を少しずつ整えていく方法です。当院ではこうした治療に対応しています。いずれも数か月単位で取り組む治療のため、お子さん・ご家族・クリニックが一緒に、あせらず進めていきます。