2010/02/17
外陰部痛
最近、性感染症の中で、性器ヘルペス、尖圭コンジローマは増加している。難治性の膀胱炎、尿道炎と誤診されている患者もみられる。
膀胱炎、尿道炎の排尿時痛と性器へルペスの疼痛の区別がつきにくいことがある。
尿検査に異常がなければ、性器ヘルペスも考えるべきである。
性器ヘルペスでは外陰部、外尿道口の周囲(男性では見落としが多い)に痛み(ヒリヒリ感、掻痒感)があり、水疱、ビラン、発赤、疼痛があるか、シミル疼痛の部位が外陰部に観察できる。面倒がらずに、台上診などの外陰部の診察も行うべきであると考える。
また、原因不明と思われた排尿障害が、性器ヘルペスによるElsberg症候群のこともある。
性行為以外でも、無症状のヘルペスウイルス保菌者は免疫が低下している時、陰部、臀部の皮膚からウイルスが分泌されやすいため、便器、清拭、汚物処理などの介護時は感染しやすくなるので、介護には手袋の使用が望ましい。
難治性再発例は1年間の抗ウイルス剤の継続治療が必要である。
単純ヘルペスウイルス
抗ウイルス薬を毎日服用しましょう
尖圭コンジローマは昨年12月にイミキモド・クリームが使用できるようになった。陰茎、外陰部、乳頭の尖圭コンジローマに有効で、重篤な副作用もなく、有用な治療薬であった。